PCコマンド ボブ&キース
#1


著者 作 高橋敏也
画 城久人
出版社 ソフトバンク
掲載誌 DOS/V magazine
CUSTOM
発行日 2001/6/25
定価 1200円
オタク 2.75
パロディ 2.75
シリアス 2.00
ギャグ 4.00
痛さ 2.75
好きさ 3.75
 PC自作は闘いだ!
 サバイバル・ゲーマーコンビのボブ(山田栄作)とキース(近藤一夫)が自作の世界に殴り込みだぜ!
 ワダツミがPCを弄る時欠かせない座右の書であります。といっても役立つ技術書ではないのだが。
 いやいや。連載当初は初心者向けの自作マシンスタートガイド的な内容だったんですよ。無難にショップブランドの購入を奨める友人達を「ファッキン軟弱野郎共!! これでも喰らえ!!」と叫び手榴弾で吹き飛ばす辺りがちょっと(かなり)アグレッシヴな感じだったとはいえ!
 連載一回目が基本的なパーツ購入の手引きで、二回目がいきなりオーバークロックなには流石と言えよう。速いCPUを買えばいいという真っ当なアドバイスをする友人をRPG−7で吹き飛ばし、メモリやハードディスクの増設かと思った店長に「俺たちにそんな安全な改造は似合わないぜ、戦友」と言い放つ。これぞ至言である。この作品の全てを物語っていると言っても過言ではない。
 勿論代価は支払われ、多くの場合PCを再起不能に陥れる。
 はっきり言ってろくな事をしないのである。が、そこが浪漫。戦士の生きる道なのである。男は皆イカロスなのである。
 軟弱野郎ワダツミはPCセットアップ時のフォーマットやOSインストール、各種アップデートの待ち時間にこれを読むことで「ああ、こんなハルマゲドン状態と比べれば自分のマシンに起きたトラブルなんて可愛いものだ」と。日常生活へこむハプニングベスト3ランクイン確実な「マシンのトラブル」に意気消沈する自分を慰撫するのですよ(えー
 話は変わります。オタクとしてこういう事を言うのは心苦しいのですが、「オタク相手の店」というのは一般的な店に比して店員の質が悪い傾向が強いのは否めない。これが店員もオタクで客商売がなっちゃいないからだ、と思うと実にやるせない。認めたくないが、多分そうなのだ。で、気に入らなければ友人だろうと容赦なく吹き飛ばすボブですからね。作中でそういったダメ店員が出ようものなら怒り炸裂です。彼らにとって正に「PC自作は闘い」なのだ!!(えー
 とまぁ一事が万事戦場と化す本作。PC自作が好きな人は当然として、これまで自作に興味が無かった人でも十分ギャグマンガとして楽しめる内容でございます。
 以前友人に「俺、三十過ぎてもこんな感じでいたいよ」と語ったら、とても微妙な反応をされてしまったワダツミでした……。
寄星蟲
「PCの自作は闘いだ」って、本当に闘っちゃってる本作。GOーGOーGOーと叫びながら、君も秋葉原でパーツ探しだっ。
 CPUのオーバークロックや、1GHz突入など、懐かしい話がごろごろしてます。パソコン雑誌で、液体窒素を使って1GHzを達成する記事を見て心躍らされた私にとっては、見ていて非常に楽しい漫画です。
 個人的には、無茶な自作を連発していたPCDIYという雑誌が大好きだったのですが、いつの間にか廃刊をしてしまいまして、自作市場も以前のような無茶な遊びが入る隙間がなくなりつつあるのかな……と思うと、ちょっと寂しかったり。

 マイ・ガーッ!!
 読み終わる頃には口癖になりそうなセリフが盛りだくさん。
そして爆発ネタばかりなのに読破するころには自作PCのノウハウが身についている!
 値段こそ1999年当時のもので参考にならないけど
PCを自作してみようかと悩んでる人の背中は押してくれるかもしれない。
なにしろ「必要なのはプラスドライバー一本」ですから。

檸檬来夢
 絵柄で敬遠していたのだが、読んでみて爆笑、この内容はほとんど私とその友人たちのやってることそのままなのだ。
 当時自作PCやってた人間ならやったであろうオーバークロックについては私もやりましたし、いまだに現役でそのマシンはファイル鯖として動いている。
 とにかく、この暑苦しい絵柄でかかれたファッキンな内容。
 回が進むにしたがって、自作PCのススメでもなんでもなくなっているし(笑)
 五年以上昔からPC自作している人ならば、読んだらきっと笑えるはずだ。

ワダツミ